意見陳述(最終期日) 原告:平島龍磨さん

意見陳述  第2つくしの里 平島龍磨

1,障害者自立支援法訴訟の第1次原告の平島龍磨と申します。よろしくお願いします。
  僕は、原告になってから、九州各地やその他の場所に行ってお話しや訴えをするようになりました。そのときの多くの方達との出会いと、それによって僕が感じたことをいくつかお話しさせて下さい。

2,ひとつ目は、昨年の5月9日に鹿児島県に行ったときのことです。
鹿児島市内の温泉街にある“麦の芽作業所”と言う施設に、原告になろうかと思っている人が2人いると聞いていました。
この裁判に勝つためにも、是非多くの人に原告になってもらいたいと考えていましたので、お2人が不安に思っていること等について僕の経験をお話しして、お2人を励ましたいと思って鹿児島に行きました。




その日は高速バスで鹿児島へ行き、お昼前に“麦の芽作業所”に着いたのですが、その作業所が配食事業で作っているお弁当の差し入れがありました。バスの中で昼食のお弁当を食べていたので、正直なところ食べきれないと思ったのですが、一口食べると、とても美味しくてあっという間に全部たいらげました。こんなにおいしいお弁当であれば、この作業所の配食事業はきっとうまく行っているだろうと思いました。

 お弁当を食べた後、お2人に会いましたが、原告になったらどういうことをしたらいいのか等を心配しているようでした。僕は、「施設やきょうされんや弁護士さん達が全面的にバックアップして下さるので原告はただ自分の思いを伝える事に全力を尽くせば良いのです」と話しました。

その後、“麦の芽作業所”以外の施設の人達も集まり、皆さんの前で話をしました。一緒に行った赤松施設長が、原告になった場合についての具体的な質問をして、僕がわかりやすく答える形で話しました。

そして、後日、うれしいことに、そのお2人が原告に立つ決意をしました。
それで僕は、「原告に立ちたいけれども、ためらっている方達の不安な気持ちをやわらげる事ができたのではないか。自分の手柄がちょっぴりあるのかなあ~」と思いました。
福岡県以外の九州で原告に立つ方達があらわれた事を心からうれしく思いました。

  基本合意文書が今年の1月7日に締結されたので、残念ながら、お2人の提訴は間に合いませんでした。しかし、お2人が原告に立つ決心をされたことで、鹿児島でもこの裁判を支援する運動が大きくなり、基本合意の成立にこぎつける力になったと思いますし、今後、障害者自立支援法が廃止された後の新法の内容を充実させるための力にもなると思います。

3,二つ目に、昨年10月30日東京日比谷野外音楽堂、厚生労働省前など日比谷公園一帯で“さよなら!障害者自立支援法。つくろう!私たちの新法を!”10・30全国大フォーラムに参加しました。
集会には会場をおおいつくす約1万人が参集しました。

正午12時を過ぎた頃に長妻厚生労働大臣が来賓・連帯挨拶をされました。
約1万人の方がフォーラムに参加していたので、より良い福祉制度を望む方がこんなにも大勢いらっしゃるのかと大変心強かったです。原告に立つ人は、それぞれの人の条件や環境の問題があってそれほど多くはなりませんでしたが、原告と同じ気持ちを持っている人は本当に大勢いるんだということを実感しました。

4,三つ目に、昨年12月12日と13日に長崎県雲仙市にある“野の花風館”という施設できょうされん長崎支部の長崎第2回スキルアップ研修会に、裁判の原告としての経験をお話しする講師として参加しました。
研修で特に印象に残った事は、長崎支部は精神障害のある人の施設が多いのですが、日割り制度の影響で各施設の収入が激減しているということです。
なぜなら、精神障害のある方は年に何度も入院する事が多いのでその間は施設に行けず、その日数分の収入が施設に入らないからです。したがって日割り制度の打撃が大きいとの事でした。

  僕は自分以外の障害がある方達の事や、自分が通所している施設以外の施設の実態を知って、とても勉強になりました。
障害のある僕でさえ、他の人のことや他の施設の状況を知らないのですから、障害のない方達には、是非、いろいろな機会に、障害がある人の置かれている状況を知っていただきたいと思います。

5,ところで僕は国と基本合意を結ぶ事ができてホッとしている反面、不安も多々ございます。
まず、低所得者の自己負担を無料にするためには予算300億円が必要と厚労省は発言していたのに、107億円しか確保できなかったことによって、主に精神障害のある方が利用する自立支援医療費が無料にならなかった事です。
これでは3障害の統合が実現しないばかりか、3障害間の差別の原因になりかねません。

  次に、是非、日割制度を月額払制度に戻して、さらに各施設の予算を支援費制度時代以上に上げて、各施設の運営を安定させて下さい。
そうする事で僕達障害のある者が安心して施設で働ける事になるからです。

  その他、問題は山積していますが、本日和解した後は、いい制度を築きあげるために運動によってこれら諸問題を1つ1つ解決していく、という決意をあらたにして意見陳述を終わりたいと思います。
                                              以上です。
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by ymce | 2010-04-19 10:38 | 意見陳述関連
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